2016年10月30日日曜日

(読後)「人間」を何と読むのかわからない。『おやすみ人面瘡』

なんか人面の瘤ができるウィルスが広まっているらしい。

脳瘤、とか、人瘤病とかいうらしい。

顔中にカエルみたいな顔の瘤ができるとか。

キショ。

一度かかると治らないらしい。

体中に、平均10いくつも出来るとか。

勝手に潰すとドンドン増殖する。

ギョエ。

良性と悪性があるとか。

悪性だと自前の脳まで冒されて廃人になる。

良性だと共存出来るらしいけど、

まさに”共存”らしく、

人面瘡に脳と知能がやどり、

勝手にしゃべりだす。

ゲゲゲ。

ほんで、物語は、普通の殺人事件の本格推理もの。

そのメインストーリーに、人面瘤の状況がうまくトリックとして挿入され、

謎解きとなっていく。

しかもかなりこだわりの謎解き。


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p60.
文句を言いながら杖をついて歩くお母さんと一緒に、あたしはウシオの家へ向かった。
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こだわりの謎解きものだから、


三人称叙述の途中で、急に主観の表現出てきたりすると、

よくある視点の入れ替わりの技法かな、と考えたり、

伏線のひとつかもしれんと思って、注意してしまう。

けど、ここの「あたし」がいちばんよくわからなかった。

最後のエピソードをみても、

この伏線への注意はいいせん行っていたのだが、

最後のエピソード自体、

何か会話が無理目な話のように思えて、

ラストに少しがっかりしたけど、

アイデアと世界観が面白いだけでなく

人の哀しさもよく書いていて、達者だなーと正直に感心した。

 
タイトルみたら、ブラック・ジャック、デビルマンのジンメン思い出す世代です。



 

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