下諏訪の翌日、諏訪大社上社にも行った。
諏訪大社は上と下に二社ずつ。
上諏訪の諏訪大社の二つの社は、
「前宮」と「本宮」と呼ばれる。
より小さい「前宮」は、諏訪大社の4社中、
もっとも古来からあったとされている。
「本宮」より昔からあったということだ。
そして、その前宮ができる以前から、
諏訪には古い宗教儀式があったとされている。
諏訪大社の後、守矢資料館で聞いた話。
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前宮には、大仰な社はない。
御神宝が安置、御巣始の祠、四柱は
一応はある。
「諏訪明神は神体なく大祝(オオホウリ)をもって
神体となす」といわれ、現人神のような
神官のようなものがおったそうな。
弥栄の鈴を持ち、
真澄の鏡をかけ、
馬具をたずさえる。
現人神、大祝のいでたち。
大小の蛇形の御体というミシャグジ神とともに
大祝と神官たちが冬ごもりをはじめる穴巣始
(アナスハジメ)は、旧暦の12月から3月まで続き、
土室で神秘な祭祀が行われたという。
かつては、3月末には稲穂の積みあげた上に、
さらに上から鹿皮を敷いた大祝の座を作り、
仮の家をかまえる神事もあった。
大祝や神官たちの家々が集まっていた場所。
おいそれと立ち入ると神罰が下る場所。
それが前宮の土地なのである。
(安国寺史友会の説明より)
ともかく、目を引く大きな建造物はないが
霊験なあらたかな土地柄なのであろー。
観光客は少ないが、一人、また一人と、
礼拝に来る人は途切れない。
ま、お土産屋さんのひとつもないが、
諏訪の宗教・歴史理解に重要そうなのである。
諏訪の宗教性の原点だから。
「何にもない。
それがパワースポット。
それがいい。」
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祭神は建御名方命(タケミナカタノミコト)と、
その妃、八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)。
タケミナカタは、オオクニヌシノミコトの
息子さんである。
(ヴィジュアル版 タカミナカタ )
詳しい話は、めんどくさい。ともかく、
タケミナカタは、古代に諏訪へ訪れた神である。
アマテラスから、諏訪に居とけと言われた、
あるいは、自分でここに居ときますと言ったのか
ともかく、この地によそからやってきて、
治めることになった。
アマテラスの命を受けたのだから、
要するに、天皇系の方々が諏訪地方を平定する
という物語が、前宮の起源の背景になっている。
古代、諏訪地方の支配者は、地元豪族から
天皇の眷属へ交替したという話。
・・・なんか、まじめになってきたなっ。
次、いこう。
(上諏訪 諏訪大社 後編につづく
本宮:神社の文化のごった煮にお腹いっぱい)