前宮に比べ、本宮は神社の文化が咲き乱れ。
神社とともに発達してきた
暮らしの文化の諸側面を考えてしまう・・・
「神社の文化」ってなんだ?
ここで考えてる「神社文化」とは、
宗教的な宗旨の内容や、建造物、神事儀式・
儀礼など宗教民俗だけでなく、
神社をとりまく地域社会の生活全般の意識や
習慣も含めた漠然とした言葉である… …
こんな言葉の遊びは、
どうでもいい!!
もっと、ダラダラしよう!
まじめな神社参拝情報などは、コチラのサイトで
ご確認していただくことにして。
(『諏方大明神画詞紀行 諏訪大社と諏訪神社 附神社参拝記』八ヶ岳原人)
▼前宮と本宮の違いっ
本宮の周辺にはみやげ屋や食堂がある!
これがすぐに気が付くことであるっ。
本宮は社務所に祈祷の受付があるっ。
お守りも販売しているっ。
つまり、境内は信仰者と観光客で賑わう。
なぜか、巫女だけでなく
神官姿の人も若い人が多い。
前日の、秋宮でもそう思った。
巫女姿や神官姿の”若い職員”がいるっ
職員って感じるんだ。
本願寺の職員っって感じに似ている。
本願寺の方がワイシャツ姿なので、
より一層、職員って感じだけど。
…若い神官と巫女が結婚の儀を執り行い
観光客がそれを写真におさめている。
それが本宮である。
▼宗教施設の特徴はご存じのとおり。
一之柱、二之柱・・・もちろん4柱が囲む。
諏訪を歩くと、大小様々な規模の神社で
必ず4柱が揃っているのが面白かった。
本宮のすぐ隣には、大国主命の社がある。
国譲り神話のオオクニヌシノミコト。
祭神の建御名方命(タケミナカタノミコト)の父。
でも社はちっさい。
どーでもいいことだが、このブログの
日本神話記事でよく使っている
「完全ビジュアルガイド」(カンゼン社)の、
神様はかっこいいのだが、6p-7pの絵は、
タケミナカタとタケミカズチの絵の説明が逆。
誤植である。
▼境内には等身大の力士・雷電の銅像が。
タケミナカタは相撲の発祥の神話を持つ
相撲の発祥というと、
ノミノスクネの相撲も有名だが、
こちらの方が古い話になる。
ノミノスクネは、土師氏の祖先。
殉死儀礼に心を痛め、
代わりに埴輪をおさめるようになった
というもうひとつの有名なエピソードで
我慢していただこう。
本宮は、こうしていろいろあるので、
関心高いものだけを以下、まとめる。
▼神楽殿に大きな太鼓が並んでいる
湿気が少ないので、特に保管庫は用意せず
神楽殿に安置したまま保存されている。
牛一頭の一枚皮からできている大太鼓で、
日本では最も大きい太鼓と言われている。
現在では、こんな太鼓が作れない。
こんな大きな皮をとる牛がいない。
▼巨大絵馬が飾られた、神馬舎。
銅製と木製の神馬が安置された屋形である。
現人神・大祝(オオホウリ)が馬を駆ることが由来
とあるが、これは、
祈願のため絵馬を奉納する起源とも言われる。
▼回廊の横に絵馬を集めた絵馬堂がある。
一面、馬だらけの何かの戦記のような絵馬。
タケミナカタ以来、諏訪は軍神とも呼ばれるわけで。
明治35年の、何かの物語の一場面のような絵馬。
女性の胸のあたりの描写をみていると、
どんな奉納で、なんの祈願なんだろう。
前日の,町屋になっている資料館で見たのが
湯女ふうの女性のはだけた姿の風景だったが
おっぴろげであけすけな性の文化。
神社の性的な側面を、こんなむきだしで
猥雑な感じで見れるところは、今、少ない。
うれしい。
一昔前だったら、よくあったかもしれない。
今は、殺風景か荘厳かのどちらかだし。
寺院とか神社ってHなのありだったんです。
▼・・・動物に戻ります。
神馬舎そばに、樹齢約千年の大欅がある。
「贄掛けの欅」という最古の樹木
…のひとつ…と言われる。
贄や御狩(ミカリ)の獲物を掲げる欅である。
諏訪信仰の対象なのか、
パワースポットとして紹介されているのか、
本殿に参るよりも熱心に欅に礼拝する人が
ちらほらいる。
▼贄の話は、マスコミで話題になった。
蛙狩神事(かわずがりしんじ)のことかな。
かわずがり、とは、
鳥居脇の湧水で確保した
カエルを捧げる神事。
弓矢で蛙を串刺しに・・・
という説明も出てくる。
うほー。
先ほどの八ヶ岳原人さんのブログで
神事の様子が紹介されている。
これだと、欅は、使っていないのかな。
この神事が、国内の動物愛護団体から
残酷すぎる、と非難されている。
「全国動物ネットワーク」からの要望書
シーシェパードではない
国内からの批判である。
「カエルの人形に変えたら」
とかいう提案もあるらしいが、
「伝統行事なんで、どうも」
という感じでつっぱねてるらしい
贄といったら
▼鹿や猪の生首、兎の串刺し
の行事の方は、
いまやすっかり剥製になったらしい。
有名な御頭祭である。
狩猟・肉食の名残りの古代神事とも
考えられている。
では、この旅のメインイベントの
守矢資料館に行ってきますっ。
(追加)
ところで、蛙狩神事のカエルって
終わってから食べるのかな?
御頭祭の猪・鹿・兎などは
終わった後で、みんなで食べたらしいんだけど。
(2015年7月24日訪問)