2012年3月に会館したまだ新しい資料館。
1984年に話が持ち上がり、1991年には具体化した平和記念館なのだそうである。
県内の各種平和教育のサポートも行ってくれる。
■
子どもたちが見てわかりやすく面白くみられるように展示されていた。
当日も、事務作業のコーナーで、イラストで描かれた昔の女性の等身大看板を制作していた。
バーチャル資料館としてweb上で多種多様な資料が紹介されている。
■
基本展示は、滋賀の戦時下の施設ー産業ー生活。
滋賀県内にあんなにたくさん軍事用の空港があったのか、ということや、
比叡山にケーブルつけて、砲台を作っていたとか、
施設跡ははじめて知ったものがあって、面白かった。
■
今回の企画展示は、集団疎開の児童の話。
当時、大坂から1万人以上の子どもたちが滋賀に集団疎開してきていた。
当時の写真も多く、引率の先生のノート記録やはがきまである。
■
もっとも目をひいたのは、
当時の子どもたちの書いた絵日記!
まるまる1冊、閲覧できるようになっている!
3冊はあった。
初等科2年生の絵日記は絵も文章も非常に達者なのだった!
4年生のもさすがの日記なのである。
ちゃんと敬語で、「おっしゃっておられた」とか丁寧に書いている。
先生、行ってきます、と、大坂の学校を電車で出発するところからはじまっている。
先生がこれからは日記をつけておきなさい、と言われたそうな。
■
今回の目当ては、収蔵展示になっていた、戦争体験の聞き取りだった。
県下にお住まいの人々の戦争体験の聞き取りは、1993年から続けているという。
およそ1300人になる、という(多分、そう書いてあった)。
1300人!すご!
■
戦争体験聞き取りは、以前に企画展示されたらしい。
そのときの案内をまとめた資料があった。
資料には、どのようにインタビューされたのかの手順も書いている。
あとがきのような文章で、調査員の方がインタビューにあたって、自分が工夫してきたことを書いている。
昔の体験は、はじめてあった人にそう簡単に話せるものでもありませんし、すぐに思い出せるものでもありません。
そんなとき、昔の生活道具などを目の前において話をすると反対に話が尽きないことがあります、など。
聞き取りについての考察が面白い。
■
聞き取られた戦争体験は、「湖の記憶」というタイトルの冊子にまとめられている。
一人一人の戦争体験が実名で登場する。
男性と女性では、やっぱり女性の語りの方が具体性や生活感があって、想像しやすい。
第1巻と2巻は、もう在庫なし。
最新の9巻は、有料販売中。
■
巻ごとにテーマがある。
ぱらぱら読んでいて、すさまじかったのは、9巻の満州編である。
特に、女性の話が、文字でみるとさらっとすごい話が書いてある。
■
これ、実名なのかな。
よくしゃべってくれたなーと思う。
もう、昔の話とはいえ。
インタビュアーが良かったんだろうな。
さっき見た、聞き取り企画展示の資料には、聞き取りを文字興ししたあと、本人確認している、って紹介してあった。