2014年5月10日土曜日

(展)「清沢満之と真宗大学」に行ってきた

●大谷大学博物館の記念企画展
大谷大学のあゆみ「清沢満之と真宗d」大学
は、5月11日までなので仕事帰りに寄ってきた。

●大学内の博物館の小さな無料展示。
「大谷大学のあゆみ」の方にはあんまり興味がなかったので、清沢満之関連の古文書を(意味がわからなくとも)じっくりみてきた。
清沢満之といえば、近代真宗教学の開拓者で、「精神主義」という観点から従来の教学の改革を目指した人物である。
そんな解説はいらないか。

●清沢満之は歴史・思想史畑では今静かなズームになっていると感じている。
僕がジョードシンシュー・フリークだからそう思うのでなくて、実際に、今売出し中の歴史学者の間で研究会やシンポジウムが開かれているからそう感じている。
シンポジウムのお知らせを見つけると、昔読んだなぁという感慨と、ちゃんと読書を続けていたら思想史と社会意識史でなんか書けたかも、という打算と後悔が頭をよぎるのであった。

●それはともかくとして、無料の展示会で、「清沢満之の人となりに迫る」という小冊子も手に入るので、もっと清沢関連の展示物増やして欲しいというイヤミをアンケートに書いたりせず、静かに鑑賞にひたる。

●…清沢満之は藩士の倅であったのか。
西本願寺での学問からはじまり…東本願寺から東京大学に留学し、
歎異抄の大発見をし、
阿含経に傾倒し、
エピクテタスの教訓書に啓発された…

後に清沢さんの娘と結婚し、寺院に入る。
本山からは改革の急進性から破門される。
若き真宗学徒を集い「浩々洞」を結成し、雑誌「精神界」によって真宗の信仰を世に問う。
浩々洞に集った人たちには、僕も読んだことがある有名人が名を連ねている。
暁烏敏、佐々木月樵、金子大栄、曽我量深。
内村鑑三の聖書読書会と並んで、学生に関心を持たれたらしい。
学生時代に読んだことがある名前で懐かしい。
しかし、本棚にもあるけど、内容忘れてしまった。
今でも覚えているくらいだったら、とっくに悟っているとも思う。

●展示会のチラシの素敵なデザインは、雑誌『精神界』の第5巻1号と第6巻1号の表紙デザインから組み合わせている。
精神界の表紙は、高浜虚子さんと相談して中村不折さんにデザインを頼んだそうだ。
他の号も展示されていたが、デザインがあたたかみがあって、かわいい
写真撮影不可なのが残念である。