2015年6月28日日曜日

意外!靖国神社でテンションあがる


ちょっと前にみた池上彰さんの番組で解説されたヤスクニのまとめがひっかかっていた。

靖国神社の戦犯合祀は海外から非難される。
けど、亡くなった人を神として祀ることは日本の文化なのだ。
神の観念が西欧と日本ではちがう。
その感覚は海外の人々には理解されにくいのだ
という結びであった。
海外からwar shirin 戦争神社とか言われ、非難されるのは、
お門違いだと言うのであった。

なんか、イルカ漁とかクジラ漁の話みたいなまとめだな。

違和感、ある。
神社は墓と同じようなもんだ、といっても、崇め奉るわけだから、神の観念がちがうと指摘しても、なんだかなーという感じである。
原爆や被災のように、「黙祷」としとけばカミ観念もなにもなく、死者への悼みが表明できているのではないだろうか
慰霊碑のような、特定の宗教観や思想性を強調せずに表現できる手法ではなく神社。
神さまにして崇め奉る。



ガランとしたアスファルトに大きな鉄の鳥居。
ナチュラル素材を損なう変な質感の神社、というのが第一印象。

駐車場脇ではフリーマーケットの準備が始まっていた。

旧日本軍関係のグッズも並んでいる。
これでは、いかにもヤスクニに来た、という感じだ。
僕は「おのぼりさん」ではない。
だからまだここでは写真はとらない。

境内前の休憩所に、マリンルックの海兵隊のような集団が集まっていた。
ここで写真をとったら、靖国すぎるだろう。
私のプライドが許さない。写真は撮らない。


駐車場に、大きな観光バスが16台も連なっている。
へえ、こんなに観光客が来るのか、とフト思う。
さすが、ヤスクニというべきか。
そう思ってよく見たらバスのフロントに、高校総体の文字が眼に入る。
バドミントン部とかバスケ部の総体の送迎バスだった。
単なる駐車場代わりに使われているのか。
これは写真だ。
パチリ。 

入り口には、大村益次郎のブロンズ像を中心にした塔が立っている。
明治維新に大きく加担した人が祀られる靖国神社の象徴である。
パチリ。
 その塔の脇には大きな灯籠。
灯籠には国家の戦いをモチーフにした彫刻。
やっぱり戦争神社っていわれても仕方ない

境内前に自由にお持ち帰りできるフリーペーパー一枚。
戦地に出向く准尉の父母へ宛てた手紙、
父母兄弟と靖国で再開したいという思いが紹介されている。


境内には掃除をしている妙齢の方が数人。
自衛隊OBの方々が自発的に掃除に来ているとのこと・・・
・・・熱心に最敬礼している参拝者の方が、掃除している方と話している声が聞こえた。

境内の参道の脇には警備員の方が一人。
にらみの効く位置に。
本社を囲む壁には献花会の○○派の生け花がずらっと並んでいる。
美しい。
毎回担当する流派は交代するようである。
花を生ける展示は他にも舞台が用意されていて、活発なようである。

死者への手向けとしての花は、葬送の原点であり、華道の始まりと言われている。
日本では、ヒトが亡くなるとホトケかカミ(かオンリョウ)になる。

ドーンドーンとおおきな鑼の音がした。
本社の奥の殿で白装束の方が詔をあげはじめた。
これは、写真撮ろう、と思う。

念のために、写真撮る前に、警備員の方に「撮ってもいいですか?」ときいてみる。
真正面からはおやめください。
本社までのこの道は、英霊が通られる道です。
横からなら大丈夫です。
という答え。

おお、そのセリフが聞きたかったのですよ !
斜めから写真を撮る。
参拝も賽銭も何にもしないで写真だけとる。

マスクもしているので、
油かけにくる人と間違われないよう、気をつけよう。

本社を離れ、資料館みたいなのないかな~と思って、それらしい建物へ向かう。



オオォ!

犬のブロンズ像がある!!


シェパードの銅像。
「軍犬」と説明がある。名前はない。

軍用馬と、軍用犬の慰霊碑である。
 
忘れちゃいけない、左の写真には鳩の慰霊碑も写っているよ!

先の大戦とは、まさにこの国における生きとし生けるものの総力戦だったのである。
 



軍用犬はシェパードがモデルである。
こうした犬たちは、各地から徴兵されたものも多い。
犬をそんな風に使うな!
と言いたいが。


『ベルカ、吠えないのか!?』(古川日出男著)を思い出す。
犬好きにとっての直木賞であり芥川賞であり、ノーベル平和賞の本だ。
もう一回読みたくなる。

そもそも、武士の時代の戦いなど、日本では、あまり戦いに犬は使わなかった。
近代に入り、ヨーロッパでの軍用犬の発達により刺激を受けた。
ヨーロッパにおいて軍用犬の活用に成功を果たした事例として、ナチス・ドイツが知られている。

日本では1919年に軍隊がシェパード犬を、幾頭か購入する。
また、中国へ進出したおりにもシェパードやその他の犬種を手に入れる。

第一次大戦後、近衛師団の澤辺賢次郎は、犬を獲得する任務を負うが、値段が高すぎて数頭しか買えなかったという。
この経験から澤辺は、退役後、日本で最初の犬繁殖の商売、ミカドケンネルをはじめる。

犬たちは、中国の青島で主に獲得され、千葉で軍用犬として訓練され、満州において活躍の場を得る。 (アーロン・スキャブランド『犬の帝国』より)

日本での、戦争の犬は、近代戦争の象徴なのである。



だらだら書き続けてきたが、飽きてきたので、人間のことは書かないで、靖国の記録書くの終わり。




・・・ ・・・だらだらした補足。
靖国神社を出て、駅を探して歩きはじめると、法政大学の校舎を過ぎたあたりで機動隊のワゴン車が2台も停まっていた。
ワゴン車の傍のビルには、機動隊員が3人、等間隔で並んでいて、どう見ても警護であった。

何、これ、要人?
と思ったが、警護されているビル横の歩道を歩こうとしたら、
どちらに行かれますか?ときかれ、
道路の反対側の歩道を歩いてください、とのっぽの機動隊員に指示された。

東京、うっとい、と思って通り過ぎたが、何のビルかすぐにはわからなかった。

あれが、売却騒ぎの起こっている、朝鮮総連のビルなのは、後でわかった。

本当に靖国神社のすぐ傍にあるんだ。