2014年6月30日月曜日

(実習)高松の記録(1)

■高松には「鬼が島」があった

女木(めぎ)島という島がある、と学生さんが教えてくれた。
高松市からフェリーで約20分という市街地との距離感。
地元では、鬼が島として知られている。

鬼が島?桃太郎?桃太郎伝説があるらしい。
で、古い洞窟もあるとか。
行ってみたい。


■女木島の由来

瀬戸内海では、時代は全然違うけれども国生み神話の中心オノゴロ島もある。
邪馬台国の吉備説とかもあるようで、瀬戸内近辺は伝説と神話の海である。

そういえば、女木島は「オンナギシマ」と読めば「鬼が島」とちょっと音が似ている。
…だが、実際は「めぎ」島で、「めぎ」という名前には由来が残っていた。

その昔、源平合戦で那須与一が射抜いた扇の残骸が島に流れ着いた。
讃岐地方では壊れたということを「めげた」と表現する。
壊れた扇が流れ着いたことから「めぎ」と呼ばれるようになったという説である。
…謂われは鬼が島と関係ないのか…

さらに、女木島からフェリーで20分くらい離れたところに、男木(おぎ)島というのがある。
桃太郎伝説の一説では、鬼が島(女木島)を追われた鬼たちが、いったん避難した島とされている。


■昼食情報

…訪問当日、時間がなくて女木島しか行けないのは残念だった。
昼ころについて、もう帰りの船の時間を気にしなければならないような状況である。

もうひとつ懸案事項があった。
島は、インターネットや地図で見て予想してた以上に簡素な島だった。
どうやら食事場所は、船着き場すぐ横にできた真新しい「鬼が島おにの館」にしかない模様。
学生さんによると、地図上にもうひとつの食堂が書いてあるが、行ってみたらお休みになっていたとか。
船着き場では、できたばかりのカフェのチラシを配ってたけど、飲み物しかなさそうだし。
…船に乗る時間ばかり心配していて、弁当も買わずにやってきてしまった…
あれこれ考えながら島の暮らしを想像してみた。
いろいろ聞き取りしてみたくなる。


■「おにの館」

「おにの館」は、小さな食堂を含んだ小奇麗な観光案内所という趣きだった。

「鬼に関する郷土民具」が展示してあるとHPにはあった。
館内の奥の部屋に、それらはゆったりと陳列されていた。

女木島では、島全体を展示場として、各地点に大学生の作品が陳列されているらしい。
島内の観光案内のような作品展示マップが「おにの館」入り口のスペースに拡げられている。

さらに館の外には、HPで見たモアイ像が一体屹立していた。
日本のクレーン会社がイースター島にモアイ像の修理についた。
練習用のモアイ像。
鬼が島のモアイ像。

ううむ。この場所で見どころらしいものをすぐにいくつかクリアしてしまった。

「おにの館」館内で、最も関心をひいたのは、壁に飾られていた数枚の島の祭りの写真であった。
住吉神社のあばれ太鼓の祭りだそうだ。
海に太鼓を渡す。






■鬼が島観光協会

鬼が島観光協会は、山の上の「鬼が島大洞窟」の窓口である。
洞窟入り口までは、島ならではのおそろしい勾配の坂を一気に登っていかなければならない。
交通手段は、船着き場から洞窟まで往復するバスまたは電動式自転車か電動式じゃない自転車。
電動式自転車のすばらしさを体感することにした。


どうにかこうにか洞窟入り口までたどりつき、洞窟めぐりの料金を汗だくで支払っていると、学生さんたちとガイド役を引き受けてくれた観光協会Oさんのやりとりがはじまっていた。

・向かいの山の山頂に見える「日蓮上人像」は昭和12年に高松市より移転されてきたものである。
(誰が何のために何でそんなことを?)。
当時は、島にまだ水道もひいていないころで、セメントをつくるのにいちいち水をくみ上げていたような状況。
山の木を伐採し、その木を土台に像を手でひっぱりあげたということらしい。
四国全体に法華宗はそんなに広まっていないので、この周辺では日蓮上人像は珍しい。
(ではなぜ日蓮上人の像がこの島に?という疑問は観光協会HPに説明あり)
・洞窟案内所に飾られている昆虫の写真は、京都大学の研究者が55年ぶりに発見したという「ちゅうじょう虫」。
洞窟に生息し洞窟で進化したというこの珍しい虫は、発見した先生以外に島の人でも本物を見つけた人がいない。
・大阪大学の研究者がわざわざ調査に来た食べられない絶滅種の「世界最少のメロン」がある。
(なんでそんなものがここに?)。
島の人にとっては雑草みたいなもので捨てられていたという…

……船酔いと空腹と汗まみれの脳内に、さまざまな情報が一気に押し寄せ、混乱と謎を残したまま、すぐさま洞窟めぐりがはじまる。
「日蓮上人像」や「モアイ像」の説明は観光協会のHPで後で確認しよう。
説明は書いてあったと思う。
頭はドンヨリしたまま、テンションだけが上がる。
鬼が島の説明がはじまる。

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