2014年1月12日日曜日

本:「解錠師」(THE LOCK ARTIST)

一年前に買った小説を、この正月にやっと読んだ。
ポケットミステリ版と文庫版があるが、装丁はポケットミステリ版の方が好きだ。

噂通りの上質な青春小説・成長物語、プロフェッショナルな金庫破りの物語。

読みながら、ドン・ウィンズロウの『ストリート・キッズ』の名前がチラチラ頭に浮かんでは消えた。
あっちは、どんな話だったっけ?

ずうっと気持ちよく読めた。
天才的ロックアーティストだし、美少年だし、バイカーだし、トラウマで口はきけないし、写実的なコミックを描くし、、、
イメージしているだけでも美しく思い描けたけれど、クライマックスに向かうほど読む方の気合いが抜けてきた。
なぜだろう?
イヤなまとめもなく良かったのに。

読み始めて、これは傑作ではないか、と読んでいるこちらの期待が大きくなっていった。

そうなのだけれど、やっぱりそういうところで終わるのかなーと妙に安心する結末。

そんなところが、オッチャンは妙に落ち着かなかったのであろー。




2013年12月27日金曜日

映画「新世界国際劇場に映画見に行ってきた」

新国際劇場に見逃した映画見に行った。
新国際劇場は、ほとんど通天閣の足元といえる距離。

小さい映画館は久しぶりなのでちょっとうれしい。

昼前についたので、ジャンジャン横丁も商店街も人影はまばら。
観光客と従業員が同じくらい。仕出しや営業車もまだ多い。

しかし。
洋画・成人映画の看板のある角を曲がると、いかにも着ぶらりでやってきた近所ふうの高齢者が数人、一角に集まっている。

開店前のパチンコ屋みたい。
路上に座り込んでいる人もいる。

で、そこが、映画館の入り口だった。
自動ドアの前に成人映画用と洋画用の自動券売機が設置されている。
とにかくトイレ入りたいので、さっさとお目当ての映画のチケットを1000円で購入する。

ちなみに洋画の3本立て。

1000円で3本見れるのか。
ロードショー期間を外した映画の3本立ても今では本当に珍しくなった。
お目当ては2番目の上映作品だが、1本目は「エリジウム」だ。
公開されたばかりだから、まだDVD化されてない。
先日、シネコンの大人料金で見てきたばかりだ。

壇蜜にそっくりな未亡人が描かれている成人映画の看板の下に設置されている券売機にお金を投入すると、ほとんど同時に隣の券売機でお兄さんが成人映画のチケットを購入した。
たしか、それも1000円。

押しボタンを押して自動ドアの入り口を通る。
入り口は一つしかない。

つまり成人映画も洋画も入り口は同じ。

押しボタン付きのちいさな自動ドア。
ドアの横にもぎりの(高齢の)お姉さんがいる。

すぐ目の前に上映ホール扉と地下に入る階段がある。
階段横に地下劇場と示してある。

どっち行ったらええんやろ?とお姉さんに聞いたら、洋画観るの?と確認された。
そういえばチケットには「大人1000円」しか印刷されていない。
うん、そう、と答えたら、目の間の扉、と指示される。
地下の階段は成人映画用ホールに向かう。

と、いうことは、どっちの1000円買おうが、どっちとも見られるのではないだろーか。
もぎりのお姉さんに怒られるだろうか。

そんなしょーもないことよりトイレ行きたい。
「男子洗面所」と書いた扉を押し開ける。

真っ暗な広い空間が見えた。

扉を開けた際の出入り口の光がさっと広い空間に流れ込み、映画のスクリーンに1本目の「エリジウム」のエンドロールが流れているのが目に入った。
スクリーンの脇に、もう一回「洗面所」の文字が光っていた。

ああ、上映ホールの中にトイレがあるのだなー。
ホールは、昔の規模ではかなり大型で、右端が男性・左側が女性のトイレである。
トイレから出て、そのまま着座し、「エリジウム」のタイトルロールを眺める。

観客はおじさんばっかりである。
きっと観客の平均年齢は60歳を越えていると思う。
冗談でなく、病院の待合室の老人会(男のみ)化と同じである。

成人映画と入り口が同じだから、よく考えたら当たり前か。

2階席もある。
これは、なつかしー。

スクリーンに自動カーテンが上映のたびに閉じたり開いたりする。
これも、なつかしー

左側の女性用トイレの前だけ桟敷になっている。
見上げると、天井は茶色く薄汚れている。
きっと煙草のヤニでも汚れた歴史があるんだろうなー。

映画を見るよりも2階席から1階席を眺めているだけのおじさんもいる。

僕の頭上の少し後ろがちょうど2階席の手すりになっていて、そこからほとんどふくらはぎ全部が飛び出している2本の足があった。
革靴が上から落ちてきそう。

1本目が終わっても帰る人は誰もいないように見える。

映画上映中も、ホールの途中入退出は頻繁。
その他、シネコンなんかでは聞けない音がひっきりなしに耳に届く。
いつもどこかで誰かが咳をしたり、痰を切ったりしている音。
ときどき、聞こえるあくび。
一時期ずっと携帯のキー音がしていた。

いつも誰かが立ち上がるか歩いている。
映画鑑賞派の人にとってはかなり落ち着かない環境であろー。

おかげで僕も遠慮なく、途中トイレに立ちあがれた。

ホール内をウロウロ歩き回る人もいた。
後ろの通路をいったりきたりして。
後ろの通路だけだからエライと思う。

ずっと席を探している感じの人もいた。
ひょっとしたらいつも自分の座る席に誰かが座っていたのかもしれないなーと、帰るときに思い至る。

映画途中、風呂に入るみたいに鼻歌をうたいながら入場して、真ん中の席に座る人がいる。
これはさすがにびっくりした。

映画終盤には、「雨降ってきた、大雨や」と言いながら、席を探しに入ってくる人もいた。
まあ、そういうこともあるやろ、という感覚である。

もちろん、ちゃんと見てる人は見てる。
僕自身は、内容は興味あったので、全然気にせずにけっこう映画は堪能できた。

用事があったので、お目当てが終わるとすぐに退出した。
人はかなり増えていた。
けれど、映画館から出ていく人は他にいなかった。

映画と映画の間に新聞読んだり、
煙草を吸いに出たり入ったりしながら、
おしゃべりは少ないけれども
数百円で一日中過ごせる
アミューズメントの施設。



――――
見に行った映画
ヴァンパイア映画だからグロもあります。


2013年12月6日金曜日

本「ポイズン・ママ 母一小川真由美との40年戦争

「ポイズンママ 母 小川真由美との40年戦争」

女優小川真由美さんというと「女ねずみ小僧」だとか「積木くずし」の母親役などが有名だ。

だけど僕にとっては、何といっても「八ッ墓村」の「東家のミヤコ」である。

あーおそろしいー。

龍のアギトという洞窟で、タツヤさん(ショーケン)を追い回すミヤコは、僕の中で恐ろしいものベスト3にランクインしている。

そんな印象があったためか、この本に描かれている小川さんの毒母ブリは妙にイメージが合致しているように感じたのであった。
...他人はこんなミーハーな感想で済むけど家族はたまったもんじゃないだろーなとも思う。特にお金のかかる宗教に頼りはじめたらやっかいだろーなー。

けど失礼ながら大爆笑してしまうシーンもあった。
こんな悲惨な話をよく笑えるなーと、自分でも思うが、似たような人を身近で見ていると、「そうそうそう」と思わず突っ込みながら笑ってしまう場合もあるのだ。
すごく空飛で極端な話であると同時に、ある意味ではどこの母娘でも一瞬自分たちを思い起こしそうな娘支配のエピソードが登場する。
笑ってぶっとばすしかない。

攻撃的に書きすぎだという感想もあると思うけど、独立戦争なので仕方ないと僕は思う。

本当に娘がかわいそうだ。特に娘には感情的な抱束が強烈になると思う。
男の子は何だかんだ言って、距離をとるチャンスがある。
異性だから、一生、自分のモデルにして感情的結びつきを強めつづけることができないから。

でも、女優の部分、やっぱちょっとカッコイイと思うところも。やっぱミーハー

2013年10月18日金曜日

本:「秘剣こいわらい」松宮宏

大森望さんの解説を信じ切って、読んでみよう。
面白い。

なんで、こんなこと考え付くんだという感想ばかり。

秘剣コレクターって。
刀集めるだけじゃなくて、隠し剣の再現を集める趣味とは!

で、不世出の現代の剣士が、鴨川で拾った棒で戦う京都女子大生とは!

個人的には、ラストに紹介される法人裏事情のような事件の背景があって、よりよい、まとめ感を得た。

京都女子とか、ほんやら洞とか、祇園の小道とか、出町柳とか、喫茶フランソワとか、京都の馴染みが出てくるので、乗れたのもあるかもしれないけれども、おもしろかった。

2013年10月7日月曜日

本:「ぼくの犬」

「ぼくの犬」(amazon)


タイトルが、シンプルすぎてどんな話なのか予想がつかない絵本だけど、

ボスニア・ヘルツェゴビナの紛争の話なんですよ。

ぼくの犬ってタイトルは、そのうち、きっとみんなの犬になるからねって、いう希望とメッセージの込められたタイトルなんですよ。

そのメッセージがあるんだって、本当に最後にならないと至らないんだけれどね。


短い本だと思って、声に出して読んでいたら、途中で、ぜんぜん声に出せなくなってしまいましたよ。

絵本なんだけど、深刻につらい。

でも、絵本として物語る。

その大切さを考える本でもありました。





本:「パパはジョニーっていうんだ」ポー・R・ホルムベルイ

ご飯食べながら食堂で読んでて泣きそうになった。

図書館で探して、家でじっくり読んでたら、やっぱ泣きそうになった。

次男に、「こんなんにで泣きそうになんの」と言われた。

息子さんよ、お前もいつかそういう気持ちになるときが来るのさ。



パパはジョニーっていうんだ(amazon)

本:「つまらぬ男と結婚するより一流の男の妾におなり」樋田慶子

つまらぬ男と結婚するより、一流の男の妾におなり

タイトルに惹かれて手に取る。花柳界の女一代記を予感したけれども、交流録というか花柳界そのものを紹介するところがあって、それはそれで面白かった。好みとしては、一代記の方だったが。

写真をみると見たことのある人もいたが、名前を見てすぐに顔が浮かんだのは、宇津井健さんぐらいで、意外と知らない。
タイトルの言葉は祖母の言葉だそうで、やっばり一代記聞いてみたいなと思う。